<明かり>と<灯り>の違いを知る−その1

昔から我々の生活には欠かせないものとなっている<あかり>ですが、そもそも<あかり>とは何なのでしょうか。このコーナーでは色々な角度から<あかり>を検証していきたいと思います。

照明は機能的なものだと思いがちですが果たして明るさだけが照明の役割なのか。

太陽の光をもとに生活をしてきた私たちの先祖からすると太陽や火が照明だったわけですから、その自然の中に存在する光が長い歴史の中で私たちの身体の中に染み付いていると考えても不思議ではありません。太陽に変わるものとして白熱灯や蛍光灯、古くからは松明、薪(たきぎ)、ろうそくの灯りなどがありますが、これらの光源の種類によってものの見え方が違ってきます。そしてそのものの見え方は、私達の仕事や日々の暮らしの中にとても深く関係しています。

第1回めは、”明かり と 灯り の違いを知る” です。

ここで太陽の一日の流れを見てみましょう。

福岡の照明デザイン事務所 光のことば 
夜明け前オレンジの光が空を染め、日の出と共にゆっくりと白光に変わります。

日光が直接地上を照らし明るさを増す。明るくなるにつれ人も覚醒をはじめます。

福岡の照明デザイン事務所 光のことば 
太陽が頭上に登る頃、地上を覆う空に透き通るような明るい青空が広がります。

光が届かない曇ったグレーの空は見るだけで憂鬱ですが、晴れ間の爽やかな白は人の気持ちを活動的にします。働きやすい環境を作り、視力も上がり労働を手助けしてくれます。

さわやかな青空が徐々に失せ、太陽が沈む西の空にオレンジ色の夕焼けが現れる。

福岡の照明デザイン事務所 光のことば 
東の空から迫るディープブルー。オレンジとのグラデーションの美しさが広がる。

徐々に夕焼けも薄く。やがて星の輝きと月明りだけを残し夜の深い蒼色の世界へ。

太陽による光は刻々と、明るさ・色・位置を変化させています。明りとは太陽や月の光のように他のものに影響されず絶対的に得られる照明のこと。言い換えれば太陽の代わりとして労働環境を照らす光のことなのです。

それでは、もう一つのあかり(灯り)とは・・・は次回に続きます。